自然周期体外受精勉強会

ガラス化法

受精卵の凍結方法は、急速凍結法(ガラス化保存法)と緩慢凍結法があり、凍結する段階としては、前核期胚・初期胚・胚盤胞と3段階あります。当クリニックでは、急速凍結法(ガラス化保存法)にて前核期胚または胚盤胞での凍結を行っています。

具体的な急速凍結法(ガラス化保存法)

生物の細胞はマイナス190℃以下で活動が止まるため、マイナス196℃の液体窒素で凍結保存します。急速凍結法は、胚を直接、高濃度の凍結保護剤で処理しながら急速に凍結します。保存液ごとガラス化(氷晶形成せず無結晶のガラス状の固体となる現象)させることにより、細胞を傷付けることなく凍結保存することができます。

胚はそのまま凍結すると細胞内に小さな氷片ができ、細胞を破壊してしまいます。胚を細胞破壊から守るために凍結保護剤で処理をすることが必要となりますが、急速凍結保法では、これに対する傷害や透明帯、細胞質に亀裂が生じる傷害の頻度が緩慢凍結法に比べて少ないといメリットがあり、受精卵、胚盤胞、未熟卵、卵子のすべてに凍結が可能な方法です。

この方法を用いて、前核期胚と胚盤胞を凍結し、条件の整った周期に融解し移植するのが「凍結融解胚移植」「凍結融解胚盤胞移植」です。

◆前核期凍結とは・・・

2つの極体と2つの前核(父側の前核と母側の前核)が確認できた胚を凍結することです。