自然周期体外受精勉強会

排卵

排卵誘発で使用する排卵誘発剤や使用方法、また作用・副作用について、こちらではご説明いたします。

妊娠するには排卵は不可欠です。また体外受精(顕微授精)を行ううえでは、重要な薬剤のひとつともいえます。

そこで、排卵誘発が必要な理由として、

●排卵がうまくできない(排卵障害)

通常、月経周期は28日〜35日と規則的ですが、月経周期が短いもしくは長く、基礎体温が二相性になっていないと排卵がうまくできていない事が考えられます。このほかにも超音波診察でも卵胞の発育が悪いことや育っているのに排卵しない、よい状態で排卵しないなどの原因がある場合は排卵誘発剤使用の適応になります。
排卵誘発剤の乱用より耐性が低くなることもありますので、作用・副作用をふまえ、慎重に行う必要があります。

排卵誘発剤には、内服する薬剤と注射の2種類あります。

◆1、排卵誘発に使用する薬剤について

内服の商品名:

  • クロミッド
    脳に働きかけ性腺刺激ホルモン(卵胞ホルモン)の分泌を増やす作用があります。性腺刺激ホルモンにより卵胞が大きく育ち排卵を促します。
  • マーベロン21
  • セキソビット
    など

注射の商品名 :

  • HMG製剤(HMGフジ、HMGテイゾー など)
  • フェルティノームP

次に、排卵誘発法をご紹介します。

◆2、排卵誘発法

1) 完全自然周期 での誘発
2) 自然周期 での誘発
3) LONG法 での誘発
4) SHORT法 での誘発
5) Ultra Long法 での誘発

※ここでの排卵誘発法は、あくまでも代表的な内容になっていますので、個々の治療内容によりこれにあてはまらないことももあります。

排卵誘発剤の反応を調べるためやホルモンバランスをみるために、排卵誘発剤の使用と並行して次のような検査を行います。

◆3、排卵誘発での検査

1) ホルモン検査(血液検査)

  • LH (黄体化ホルモン)
  • FSH(卵胞刺激ホルモン)
  • E2 (卵胞ホルモン)
  • P4 (黄体ホルモン)
  • PRL(乳腺刺激ホルモン)

2) 超音波検査

  • 子宮内膜の厚さの診断
    通常では、排卵直前の内膜は3層構造で6〜8ミリ以上が望ましい。
  • 卵胞の測定
    卵胞は約20ミリになると排卵します。排卵日と排卵状態を確認します。

◆4、排卵誘発のリスク

冒頭にも書いたように、排卵誘発剤の使用については、作用・副作用がありますので、使用については慎重に行わなければなりません。ここでは、排卵誘発剤の使用により起こりうる副作用(リスク)をご紹介します。

1) 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
通常、卵胞は1つしか発育しないため、卵巣過剰刺激症候群になることはありませんが、体外受精の際に使用する排卵誘発剤で卵巣を刺激することによって、複数の卵胞が発育して卵巣が腫れることをいいます。
卵巣過剰刺激症候群の予防として、排卵誘発剤の使用量や服用中に卵胞の大きさを超音波で確認します。
ほとんどは経過観察で自然になおりますが、重度の卵巣過剰刺激症候群になると、胸水・腹水がたまり、呼吸困難の症状を起こし入院治療が必要になります。特に多嚢胞性卵巣症候群(PCO)や体外受精の治療時などには起こりやすくなるとも言われています。

2) 吐き気、下腹部痛など
排卵誘発剤以外の薬剤でもこのような副作用はでることもありますが、薬剤を服用して吐き気や下腹部痛などの症状がでた場合は、早めに主治医に相談することが必要です。

体外受精の流れに戻る